遠州地方に伝わる海鳴り・波小僧伝承をご存じでしょうか。
遠州灘の波音は「雷三里、波七里」ともいわれ、沿岸から20Km以上離れた引佐の山間部までとどきます。
またその音の強さや方向から、この地の人びとは天候の変化を予測できたともいいます。
伝承では、「波小僧」が人間への恩返しとして、そうした情報を波音によって教えてくれている、としています。
自然とのつながりがあらためて必要とされる今日、
この地域の特徴的な音風景である波の音にあらためて耳をすませてみる。
「波小僧」を生んだ、この地の風土や感性をよびおこしてみたい。
私たちはそうした着想のもと、『遠州波小僧プロジェクト』を立ち上げました。
本プロジェクトでは、波音が遠州地域でどのような範囲で聞こえているのかについて
研究を進めており、このホームページでは皆さまからの「耳の証言」をもとにした
マップを作成・公開し、随時更新して参ります。
私たち「遠州波小僧プロジェクト」は、
浜松市をはじめ遠州沿岸に伝えられる「海鳴り/波小僧伝承」をてがかりに、
この地の特徴的な音風景である遠州灘の波音について調査研究を進めています。
伝承に関する文献資料の分析、地域の皆様の生活史の聞き取り調査、
波音の録音調査など、多角的な検討を行ってきました。
今後は市民の皆様と共に遠州灘の波音についての調査研究を深めていきたいと思っております。